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国空航第426号
平成16年7月30日
社団法人 日本航空機操縦士協会
会長 川原 武 殿
国土交通省航空局技術部
運航課長 宮下 徹
小型航空機の運航の安全確保について
平成16年7月30日、航空・鉄道事故調査委員会は、平成15年8月5日名古屋空港において発生した個人所属パイパー式PA-46-350P型JA4200の航空事故調査報告書を公表した。
同報告書によると、本事故の原因は、同機が、着陸の際、先行して離陸した出発機(ボーイング式737型)の左翼から発生したウェイクタービュランスに遭遇したため、いったん接地後、浮揚し、再び接地したときに両主脚を折損するとともに、左主翼端付近の後桁を湾曲させ、機体を損傷したことによるものと推定している。
また、本事故では、機長がウェイクタービュランスの危険性を十分に考慮せず出発機との間隔を十分に取らずに着陸したこと、同機の接地点が滑走路の進行方向前方に延びたこと、及びウェイクタービュランスが出発機のローテーション地点から浮揚地点付近にかけて留まっており、同機が最初に接地した地点がこの付近であったことが関与したものと推定し、同種事故の再発防止のための対策についての所見が併記されている。
記
1. 小型航空機の操縦士が留意すべき事項について
(1) 出発機によって発生したウェイクタービュランスが滑走路上に残留し、その付近に着陸した小型飛行機に事故が発生したと推定されること。
(2) ウェイクタービュランスは風の状況によっては発生場所に留まることがあること。
(3) 小型航空機の操縦士は、離着陸を行う場合には、先行する離着陸機のウェイクタービュランスの危険性に留意し操縦を行うこと。また、必要と考えられる場合には、躊躇することなくゴーアラウンドを行うこと。
2. 小型機航空安全情報ネットワーク等の活用について
航空機の運航の安全を確保するためには、操縦士をはじめとする関係者が体験した不安全事例を共有し、事故の防止に役立てることが有効であり、本事故におけるような小型飛行機がウェイクタービュランスに遭遇した事例についても、その例外でないと考えられる。
このため、既に運用が開始されている小型機航空安全情報ネットワーク(小型機ASI-NET)等を活用することにより、小型飛行機の操縦士がウェイクタービュランスに遭遇したものの事故に至らなかったような事例についても、積極的に情報提供を行うことが望ましい。
ついては、同報告書の所見の趣旨を踏まえ、運航の安全確保に万全を期するとともに、ウェイクタービュランスに遭遇することによる事故の再発防止の観点から、下記の点に留意するよう、貴会傘下の関係者に対し周知徹底されたい。 |