航空医学適性セミナー
1.「航空医学適性セミナー」の紹介
乗員の健康管理は、航空身体検査の適切な更新を通じて行われています。「航空医学適性セミナー」は制度の前提といえる航空機の運航に必要な航空医学適性についての情報を健康管理に携わる方々に伝え、制度の目的に沿った現場の運用を期待し、関係者が集い、相互協力を図るためのイベントです。
当初は、懇談会を通じた行政のレクテュアが主な内容でしたが、その後、事例紹介及び制度と運用の解説を、講演を交えて行うシンポジウムに発展し、2015年以来現在のセミナー形式となりました。
航空局の協力を得て、(一般財団法人)航空医学研究センターが主催し、(公益社団法人)日本航空機操縦士協会が共催しています。
2.最近の実績とテーマ (開催場所はPanda Flight Academy 会議室)
・2016.2.14
航空身体検査(耳鼻科領域) 航空医学評価官
審査会のケースに関して(プラス他のトピックス) 航空医学評価官
EASAレポート並びに機内搭載薬品に関して 航空医学研究センター
産業医に関しての知見 操縦士協会
・2017.2.5
安全業務監査
審査会・マニュアル改正と課題
新健康管理基準における健康管理委の処遇と課題
疲労リスク管理 海外の動向
・2018.2.4
参加状況 22 団体(航空局、エアライン18、医療機関3)
66 名
航空身体検査基準(マニュアル)改訂の進捗状況
機内搭載医薬品改訂の進捗状況
e-learning実施の反省と今後の発展
乗員から見た「乗員健康管理」
・2019.2.4
参加状況 23 団体(航空局、定期航空16、ビジネス航空4)
78 名(ドクター11、パイロット9)
健康管理基準の改正その後
疲労(FRM)対策 航空局(企画調整官)
アルコールの影響
基準改定(マニュアル改訂)その後
指定医の業務、手続きについて 霞が関ビル診療所
パイロットの立場から
・2020.2.2
参加状況 24 団体(航空局、定期航空18、ビジネス航空4、他1)
74 名(ドクター17、看護師8、健管担当31、パイロット9)
航空身体検査証明に関わる諸問題
パイロットの疲労リスク管理/アルコール対策の現状と課題
インスリン治療中のパイロットに対するFAAの取り扱い
世界のアルコールチェックの実際
HIMSアルコール更生プログラム
3.2021年のセミナー中止について
長期にわたる新型コロナウイルスの影響は、世界規模の危機を招き、航空界にも過去に経験のない深刻な事態を招いています。航空医学研究センター及び日本航空機操縦士協会についても、従前の活動を遂行できず、現在に至っています。毎年2月にセミナーを開催し、健康管理に関わる者が、現状の課題を適切に把握し、お互いの考えを相互で理解することによる相互協力を目指してきましたが、現状はセミナーの開催そのものが難しくなっています。従いまして、2021年の「航空医学セミナー」は中止することにします。
セミナーの中止を補完するために、医学情報の提供を日本操縦士協会のホームページ(イベント ・セミナー・講習会)に掲載します。ご活用くだされば幸いです。
以降の開催については、セミナーの目的に沿った検討を加え、適切な運営を確保する方針です。
【参考資料】※JAPA会員は会員ページNEWより動画の閲覧が可能です。
●新型コロナウィルス感染症対策について 家庭内感染を防ぐために
●新型コロナウィルス感染症対策について
●COVID-19対策実践マニュアル