航空局通達等

【航空局】機体に固定されていないセンターコンソールについて

航空局より、小型機運航者の皆様向け (第43号:令和3年3月) に情報配信がされましたので、お知らせします。

2020年11月、FAA(米連邦航空局)からSAFO(Safety Alerts for Operators:運航者への安全警告)が発出されましたので、ご紹介させていただきます。
なお、概要については仮訳となっておりますので、末尾のURLから原文をご確認ください。

SAFOの概要としては、Textron Aviation Inc.(以前のCessna Aircraft Company)の172-、177-、182-、185-、205-、206-、210-、310-、320-、337-、340-シリーズ及びコンソールが航空機に固定されていない他メーカーの航空機の運航者に対し、特定の航空機型式に適合するものとして宣伝・販売されているSaircorp/Flight Boss Ltd.(以下Saircorp社)のコンソールが乱気流等により、飛行中にコンソールが移動すること等で飛行の安全に影響を及ぼすというものです。

Saircorp社のコンソールは、特定の航空機型式に適合するように設計されており、パイロットの座席の間にぴったりと収まりますが、どのコンソールにも航空機に取り付けるための設備や取り付けハードウェアはありません。(なお、他のメーカーの航空機でも本コンソールが使用できるようです。)これらはパイロットの持ち込み品として販売されており、FAAの設計承認もありません。

パイロットの座席の間にSaircorp社のコンソールを配置するには、多くの場合、既存の消火器取り付けブラケットを取り外す必要があります。消火器は、コンソールの背面にある固定されていないカップホルダー型のチューブに格納できます。この場合、消火器が固定されていないと危険になる可能性があります。同様に、携帯用酸素ボンベ、消火器、電源、コンピューターディスプレイ、マニュアル、またはパイロットアクセサリーをコンソールに配置すると、かなりの量の固定されていない重量物のために、危険が生じます。

乱気流、ハードランディング、ブレーキング、または緊急事態による飛行中にコンソールが移動することによって生じる可能性のある危険は次のとおりです。
・床に取り付けられた燃料セレクターの部分的または全体的な操作上の障害
・スロットル、ミクスチャー、及びキャブレターヒートの操作への干渉
・ピッチトリムコントロールへの干渉または操作上の障害
・カウルフラップコントロールへの干渉または操作上の障害
・消火器が固定されず不安全になる、または移動させた消火器へのアクセスの障害
・航空機内を勝手に移動して不安全となるアイテム

FAAでは、固定されていないコンソールを使用している運航者に対し、次の処置を推奨しています。(対象モデルは、Textron社(以前のCessna社)の172-、177-、182-、185-、205-、206-、210-、310-、320-、337-、340-シリーズ及びコンソールが航空機に固定されていない他メーカーの航空機)

・航空機の運航中にコンソールが移動しないように、飛行前に適切に措置する。
・コンソールが航空機の制御を妨害したり覆い隠したりしないように、飛行前に適切に措置する。
・コンソールに配置された不安全となる物の数と重量を最小限に抑える。
・酸素や消火器のボトルなどの重量物は、承認されたキャリアまたは承認された航空機の取り付け場所に固定する。

出典:FAA SAFO 20016 DATE:11/23/20
https://www.faa.gov/other_visit/aviation_industry/airline_operators/airline_safety/safo/all_safos/media/2020/SAFO20016.pdf

固定されていないコンソールを使用されている場合は、飛行前にその固定状況やコンソールに収納しているアイテム等をご確認いただければと思います。
また、このようなコンソール以外でも特に操縦席周辺に持ち込む鞄、小物入れ、飛行に必要な用具(航法計算盤等)についても、不意の動揺などで移動して、操縦の妨げにならないように配慮して飛行に臨んでいただくよう、お願いします。
 
■本件に関する問い合わせ先
連絡先:国土交通省 航空局 安全部 運航安全課
MAIL:hqt-kogataki@mlit.go.jp
TEL:03-5253-8111
小型機安全対策係(内線50135)
   技能審査係(内線50136)

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